誘導結合プラズマ発光分析用のニオブ及びタンタル標準溶液の調製
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概要
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従来,ニオブとタンタル標準溶液には加水分解防止のため,多量の錯化剤が添加されたが,誘導結合プラズマ(ICP)発光分析に用いるため,錯化剤濃度が低く,しかも安定な標準溶液の調製を試みた.錯化剤としてシュウ酸アンモニウム,酒石酸,フッ化水素酸,過酸化水素及び硫酸について,安定化作用,ICP発光強度に対する干渉,再現性に対する影響などを比較検討した.その結果,ニオブ1mg ml^<-1>標準溶液の調製には,0.1Mシュウ酸アンモニウム,0.6M酒石酸又は2%過酸化水素,同じくタンタルに対しては,0.1Mシュウ酸アンモニウム,1.2M酒石酸又は0.025Mフッ化水素酸が推奨できることが分かった.このようにして調製された標準溶液は1年以上保存しても沈殿は生じなかった.又,水で10倍に希釈した溶液も同様に安定であった.錯化剤濃度がこのように低くなったため,ニオブとタンタルのICP発光強度に対する錯化剤の干渉は無視できる程度であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1985-12-05
著者
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