2,2'-ピリジルベンズイミダゾールによるケイ酸塩岩石中の硫黄の蛍光光度定量(<特集>無機材料分析のためのスペクトロメトリー)
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概要
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2,2'-ピリジルベンズイミダゾール(PBI)の蛍光は,PBIが水銀(II)と錯体を形成することによって消光するが,錯体が硫化水素と反応すれば硫化水銀を生成し,遊離したPBIの蛍光が復活する.この反応を利用してケイ酸塩岩石中の硫黄の定量法を確立した.粉末にした試料をスズ(II)-強リン酸と窒素気流中280℃で25分間加熱し,発生した硫化水素をPBI-水銀(II)錯体溶液に吸収後,波長307nmで励起し383nmにおける蛍光強度を測定する.工業技術院地質調査所の標準岩石試料JA-1,JB-2及び実試料について硫黄の定量を行ったところ,他法による定量値とよい一致を示した.平均硫黄含有量200ppmのとき,5回測定の相対標準偏差は0.67%であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1986-08-05
著者
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