キャピラリー電気泳動による誘導体化したチオール類の分離と検出
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概要
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低分子のチオール類は揮発性が高くまた空気中で酸化されやすい。そこで5,5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸; Ellman試薬)を用いてチオールを誘導体化したのち, キャピラリー電気泳動によりチオール類の分解・検出を行った。SH基を有する化合物にEllman試薬を過剰に加えると, 混合ジスルフィドとチオレートアニオンが生成するが, 電気泳動を行うことにより, 一部重複していた各成分のピークの分離が可能となった。泳動液は80μMテトラデシルアンモニウムブロミド(TTAB)を含む10mMリン酸二水素ナトリウム溶液を用いた。 TTAB溶液を添加することで, キャピラリー内壁の電荷を制御し電気浸遠流を減少させることにより各成分の持つ構造の違いによる泳動時間の差が明確になり分離が完全になった。キャピラリーは内径0.075mm, 全長500mm(有効長378mm)の溶融シリカ管を用いた。試料は落差10mmで30秒間キャピラリー内に注入し印加電圧十30kVにて泳動を行った。キャピラリー周囲は25℃に保った。検出にはEllman試薬を用いて誘導化したチオール類の吸収極大波長である357nmを用いた。エタンチオール, 1-プロパンチオール, 1-ブタンチオールを短時間で分離・検出できた。
著者
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今泉 幸子
日本女子大学家政学部化学教室
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蟻川 芳子
日本女子大学
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蟻川 芳子
日本女子大学大学院理学研究科物質・生物機能科学専攻
-
山代 智絵
日本女子大学理学部物質生物学科
-
蟻川 芳子
日本女子大学理学部物質生物科学科
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