内標準として安定同位体を用いたガスクロマトグラフィー質量分析法による環境試料中のモノ,ジ及びトリ(α-メチルベンジル)フェノールの定量
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概要
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安定同位体を内標準とし,環境試料(水及び底質)中のモノ,ジ及びトリ(α-メチルベンジル)フェノール(MBP)をガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)により定量する方法を検討した.水試料中のMBPは,ヘキサンに抽出し,脱水及び濃縮後,GC/MSにより定量した.底質試料中のMBPは,アセトンに抽出した後〓過し,〓液に精製水及びヘキサンを加え,ヘキサンに抽出した後,水試料と同様に処理した,妨害物質の除去は,シリカゲルカラムクロマトグラフィーによった.MBPのシリカゲルカラム(1×10cm)からの溶出は,ヘキサン:ベンゼン(4:1)30mlで洗浄後,ヘキサン:エーテル(4:1)30mlで行った.GCカラム充てん剤には,3% OV-1(モノ及びトリ-MBP)及び3%OV-17(ジ-MBP)を用いた.モノ,ジ及びトリ-MBPの検出質量数は183,287及び406とした.安定同位体内標準(SI-IS)として重水素化MBP([^2H_n]-MBP)を用いた.モノ,ジ及びトリ-[^2H_n]-MBPの検出質量数は,それぞれm/z188,297及び421とした.モノ,ジ及びトリ-MBPのGG/MS-SIMでの検出限界量は,それぞれ0.5,2及び3ngであった.1-メチルフェナントレンを内標準として用いるIS法と[^2H_n]-MBPを内標準として用いるSI-IS法での定量値の精度を水及び底質試料中のモノ-MBPについて比較した.IS法での定量値の相対標準偏差は11%(水試料)及び14%(底質試料)であったのに対し,SI-IS法での相対標準偏差は,5.5%(水試料)及び5.4%(底質試料)であった.SI-IS法を環境試料に適用した結果,底質試料からトリ-MBPが23μg/kg検出された.水試料からはすべて検出されなかった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1985-03-05
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