ヌクレオチドのフローインジェクション分析法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
フローインジェクション分析法(FIA)によりヌクレオチドの定量を行った.ヌクレオチドと同様に無機リン酸塩も定量できるように,発色試薬としては,酸性のモリブデン(V)-モリブデン(VI)混合溶液を使用した.ヌクレオチドの試料は,キャリヤー液(水)に注入された後モリブデン試薬と合流する.150℃に保たれた反応コイルを通る間(2.3分)に,ヌクレオチドは加水分解し,生成したオルトリン酸がモリブデンと反応しヘテロポリブルー錯体を生成する.そしてこの錯体の830 nmにおける吸収をモニターする.ヌクレオチドの加水分解が,反応全体の律速段階であり,その反応速度により検出感度が決まる,オルトリン酸は,加水分解の必要がないのでこのFIAでは,最も感度が良い.従って,ヌクレオチドのオルトリン酸に対する相対感度を求めると,プリンヌクレオチドで約15%,ピリミジンヌクレオチドで2%以下であった.又,分析速度は1時間当たり78検体,繰り返し再現性は,相対標準偏差で0.4〜4.3%であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1985-11-05
著者
関連論文
- 縮合リン酸塩に対するオートアナライザーの使用における諸問題
- ヌクレオチドのフローインジェクション分析法
- 亜硫酸によるホスホン酸の酸化反応を利用した亜硫酸のフローインジェクション分析法
- フローインジェクション分析法による環境水中のリン酸塩の定量
- ケイ酸のフローインジェクション分析法
- 無機化学への応用 (応用高速液体クロマトグラフィ-)
- ゲルクロマトグラフィーとその無機化合物への応用(最近のクロマトグラフィー)
- イオン交換体比色法 (トレ-スアナリシス--超微量分析法の新設計) -- (光分析法)
- 分析化学の新しい息吹き-7-イオン交換体比色法--イオン交換体を呈色媒体とする新しい吸光光度法
- 濾紙電気泳動法によるリンのオキソ酸イオンの分離
- 第5回フローアナリシス国際会議
- 無機化合物のゲルクロマトグラフィー
- 9 クロマトグラフ分析 : 9・1 無機クロマトグラフ分析 9・2 有機クロマトグラフ分析
- 縮合リン酸とその塩