4-メチル-3-ヒドラジノピリダジンによるニッケル(II)の吸光光度定量

概要

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4-メチル-3-ヒドラジノピリダジンがpH9.5以上でニッケル(II)と青色の錯体を生成するので,これを利用する微量のニッケル(II)の吸光光度定量法を検討した.生成した錯体は,水に難溶であるがベンゼン可溶であり,呈色したベンゼン溶液は725nmに吸収極大を有する.試薬とpH11の緩衝溶液下にニッケル(II)を含む試料溶液を加えて,生成した錯体をベンゼンにて抽出し,ベンゼン溶液の吸光度を測定する.吸光度はニッケル(II)の0〜3.0*g/mlの範囲で直線となり,錯体のモル吸光係数は2.43×10^4dm^3 mol^<-1> cm^<-1>,連続変化法及びモル比法により求めたニッケル(II)と試薬の組成比は1:2であった.ニッケル(II)15.0*gを採り,5回繰り返し実験を行った場合の定量値の変動係数は0.28%であった.鉄(III),コバルト(II)及び銅(II)の共存で負の誤差を生じたが,鉄(III)及びコバルト(II)は抽出分離により,又銅(II)はマスキングにより妨害を除去できた.ニッケル(II)150*gを採り,鉄(III),コバルト(II)及び銅(II)の妨害除去操作について各5回繰り返し実験を行った場合のニッケル(II)の定量値の平均は,それぞれ149*g, 148*g及び14*gであり,変動係数はそれぞれ0.37%, 0.54%及び0.80%であった.
1982-04-05