6-クロロ-3-ヒドラジノピリダジンによるニッケル(II)の吸光光度定量
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概要
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6-クロロ-3-ヒドラジノピリダジンが,pH8.6〜11.4の範囲でニッケル(II)と反応して青緑色の錯体を生成するので,これを利用する微量のニッケル(II)の吸光光度定量法を検討した.生成した錯体は,水に難溶であるがジオキサン可溶であり,呈色した溶液はジオキサン緩衝溶液(ジオキサン,10%アンモニア溶液,6%酢酸溶液=15:4:6)では715nmに吸収極大を持つ.試薬のジオキサン緩衝溶液にニッケル(II)を含む試料溶液を加えて10分間放置し,吸光度を測定する.吸光度はニッケル(II)のO〜3.0ug/mlの範囲で直線となり,錯体のモル吸光係数は1.86×10^4 1cm^<-1>mol^<-1>,連続変化法及びモル比法により求めたニッケル(II)と試薬の組成比は1:2であった.ニッケル(II)15.0μgを採り5回の繰り返し実験を行った場合の変動係数は0.17%であった.鉄(III),コバルト(II)及び銅(II)の共存で負の誤差を生じたが,鉄(III)及びコバルト(II)の抽出分離又は銅(II)のマスキングにより妨害を除去でき,ニッケル(II)150μgを採り,これら鉄(III),コバルト(II)及び銅(II)の妨害除去操作について各5回繰り返し実験を行った場合のニッケル(II)の定量値の平均はそれぞれ148μg,145μg及び146 μgであり,変動係数はそれぞれ0.34%,0.29%及び0.30%であった.
- 1981-07-05
著者
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