ガスクロマトグラフィー-質量分析法による窒素中の二酸化炭素の定量分析法
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概要
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窒素中の微量不純物成分を,低濃度標準ガスを用いることなく赤外分光(IR)法によって定量分析する方法については既に報告がある.本研究では,IR法によっては行い難い窒素中の二酸化炭素の高精度の定量分析をガスクロマトグラフ-質量分析(GC-MS)法により行う方法を示した.従来,GC-MS法により高精度の定量分析を行うことは困難であると考えられてきた.この要因について検討を加え,問題点について解決策を与えた.質量分析計の出力の不安定性は参照ガスと試料ガスを6分間以内に測定して,これらの測定によるピーク面積の比較を行うことにより避けることができる.定量分析の目的のためには二次電子増倍管よりもファラデーカップのほうが優れている.窒素の質量分析計への影響は,窒素がガスクロマトグラフから質量分析計のイオン源に溶出しているときにリペラー電極に負の電位を与えることにより避けた.本研究で示した方法を用いることにより,GC-MS法を用いて,窒素中の二酸化炭素の濃度が100%からppm程度のものを,低濃度標準ガスを用いることなく高精度で定量分析することが可能となった.この方法は,他の無機ガスについても適用することができる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1980-08-05
著者
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冨田 弘
工業技術院化学技術研究所
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野副 尚一
工業技術院化学技術研究所
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野副 尚一
化学技術研究所
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山崎 善武
化学品検査協会
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冨田 弘
化学技術研究所
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染野 和雄
化学技術研究所
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染野 和雄
化技研
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