海水中の金及びインジウムの放射化分析
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概要
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海水中の微量元素(金及びインジウム)をナトリウム,カリウム,塩素,臭素などから電着分離し,放射化分析する方法の検討を行った.炭素を陰極とし,-0.70V vs.(銀|塩化銀)で,窒素を通じながら,定常かくはん下(25.0±0.5)℃で電解を行う場合,(1〜100)ng金/0.5M塩化ナトリウム100mlではpH1〜3で回収率が一定最高(48時間で82%,72時間で92%)となり,再現性もよかった.これに反し,1μgのインジウムを含む同条件(pH2)の溶液の場合は,72時間の電解でも32%が回収されただけであった.金属を電着した炭素板は,そのまま中性子照射し,γ線スペクトロメトリーに供したが,^<24>Naなどの妨害はほとんど認められなかった.東京湾の表面海水を分析した結果,計数誤差を考慮した金の濃度として,(0.023±0.001)ppb(うち0.005ppbは,上記の条件で電解されない状態のもの)を得た.インジウムの濃度は,本法の検出限界(lppb)以下であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1979-11-05
著者
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