チオオキシン含漫〓紙を用いる数種の金属イオンの沈殿クロマトグラフィー
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概要
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8-メルカプトキノリン塩酸塩(チオオキシン)は極めて多数の金属イオンと反応して、水に不溶性のキレートをつくる。このことを利用して沈殿クロマトグラフィーの研究を行った。チオオキシン0.2gを95%エタノール60mlに溶解し、この溶液に〓紙(東洋〓紙:No.5B,直径9cm)50枚を含浸処理、風乾後使用する。この処理〓紙を使用して、フェノールを飽和させた2%酢酸溶液を展開剤として用いることで、金属イオンの分離を検討した。その結果、帯域の順序は、内側から水銀(II)〓銀(I)〓パラジウム(II)<銅(II)<ビスマス(III)<カドミウム(II)<亜鉛(II)〓コバルト(II)〓ニッケル(II)〓鉄(III)であり、分離可能な混合試料成分は、{水銀(II)、銀(I)、パラジウム(II)のいずれか1種}-綱(II)-ビスマス(III)-カドミウム(II)-{亜鉛(II)、鉄(III)のいずれか1種}であった。また、これらの金属錯体の安定度の大きい順に帯域が得られることから、分離機構は安定度の差異に基づく因子が最優先するものと考えられる。
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1975-03-10
著者
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