塩化カリウム処理ろ紙を用いるペーパークロマトグラフィーによる希土類元素の分離
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概要
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希土類元素イオンのペーパークロマトグラフィーの場合に問題になる帯域のえい尾性は,ろ紙にアルカリ金属塩化物を含浸させることによって,著しく改善されることはすでに報告した.本研究においても,この方法によって帯域のえい尾性を押さえながら,各帯域の<I>R<SUB>f</SUB></I>値の差がなるべく大きく得られるような展開剤の発見につとめた結果,ランタンからユーロピウムまでのイオンは,プラセオジムとネオジムの分離を除いて,1回の展開で分離が可能であった.またプラセオジムとネオジムも,これら2種だけの混合試料では,分離が可能であった.ユーロピウムよりも原子番号の大きなイオンの場合は,隣接したものの分離はよくないが,一つとびの2種混合試料では分離が可能である.これらの試料原液は,各金属を硝酸塩の水溶液にして,各イオンあたり,約2.5mg/m<I>l</I>の濃度のものを用い,混合試料は,それら原液を等量ずつ混合してつくった.本研究で一般的に好結果が得られた展開剤は,ジオキサンと0.2M酢酸-酢酸ナトリウム緩衝溶液(pH 4.0〜5.0)を,4:1の比(容量)で混合した溶液100m<I>l</I>に2gのオキシンを溶かしたものであった.展開は30℃の恒温そう中で行なった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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