シクロピロックス・オラミンによる鉄(III)の吸光光度定量

概要

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シクロピロックス・オラミン(6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2-ピリドン・エタノールアミン)を用い、クロロホルム抽出による鉄(III)の定量について検討し好結果を得た。鉄(III)とシクロピロックスの錯体はクロロホルム、エーテル、酢酸エチル、η-ヘキサン、ジクロルメタンなどに抽出されて安定である。抽出溶媒としてクロロホルムを用いると415nmで吸収極大を示し、至適pHも0.5〜10と広範囲である。検量線は鉄(III)濃度(55.9〜558.5)μg/100mlクロロホルムにおいてぺールの法則が成立する。錯体のモル吸光係数は5.4×10_3である。マグネシウム(II)、カルシウム(II)、バリウム(II)、ランタン(III)、クロム(III)、マンガン(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、亜鉛(II)及び鉛(II)などは0.2M (0.002M 鉄に対して100倍量)、アルミニウム(III)はO.02M、スズ(IV)は0.002M 共存しても鉄(III)の定量を妨害しない。
社団法人日本分析化学会の論文
1975-02-10