アセチルアセトンによるニッケル(II)の溶媒抽出における塩析効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ニッケル(II)-アセチルアセトン(Hacac)系において、ニッケル(II)の抽出挙動および抽出に及ぼす無機塩の効果を検討した。ニッケル(II)アセチルアセトン塩は150分間以上の振り混せで抽出平衡に達し、イソアミルアルコール(IsoAA)へのニッケル(II)の分配比は0.45であった。また(5.83×10~<-3>〜1・17×1O~<-2>)Mをイソアミルアルコールに溶解したニッケル(II)アセチルアセトン塩の平均分子量は686であり、(2・50×10~<-3>〜1.25×10~<-2>)Mの領域で吸収スペクトルを測定すると、ニッケル(II)アセチルアセトン塩濃度の減少に従い、極大吸収波長が低波長ヘシフトした。また抽出後の有機相をイソアミルアルコールで希釈して吸収スペクトルを測定すると、希釈度とともに極大吸収波長が低波長ヘシフトした。これらの結果から、抽出されたニッケル(II)アセチルアセトン塩は三量体{Ni-(acac)_2}_3と二量体{Ni(acac)_2}_2(IsoAA)などの混合物であると推定した。アルカリハライドを取り上げて検討した結果、アセチルアセトン自身は塩効果を受けず、ニッケル(II)のアセチルアセトン錯体の抽出に及ぼす塩析効果はRb+<K+<Na+の順序に増加し、リチウムイオンは著しい塩溶効果を示した。またハロゲンイオンの種類による塩効果の差はほとんど見られなかった。
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1975-01-10
著者
関連論文
- カプリコートとジエチルジチオカルバミン酸塩を用いる亜鉛(II)とカドミウム(II)の抽出分離
- 環境分析における標準物質と分析値の精度に関する研究
- 中性子放射化分析法によるいん石試料中の微量亜鉛,セレン,カドミウム,インジウム,テルルの定量
- 1998年度日本分析化学会学会賞を受賞される 中村洋氏
- 温泉水中のヒ素(III, V)の分別定量
- 蛍光検出-高速液体クロマトグラフィーによるDL-ホモアラニン-4-イル(メチル)ホスフィン酸の迅速定量
- 亜鉛(II), カドミウム(II), 銅(II)のジフェニルチオカルバゾン及びモノチオテノイルトリフルオロアセトン抽出の熱力学的諸量
- 除鉄フローシステムを利用した鉄鋼試料中の亜鉛の原子吸光分析
- リン酸ジ(2-エチルヘキシル)/4-メチル-2-ペンタノン抽出による鉄(?)の分離除去
- クリプタンド-ジチゾン系によるアンモニウムイオンの抽出光度定量
- ジチゾン及びトリブチルホスフィンオキシドによる協同抽出を利用したカドミウム(II)の予備濃縮(超微量分析のための前処理と予備濃縮)
- 4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンジスルホン酸樹脂による銅(II)の予備濃縮(超微量分析のための前処理と予備濃縮)
- 本邦二畳紀ドロマイト岩のカドミウム存在度
- 重金属汚染環境指標生物としてのトビケラの評価
- 炭酸塩岩標準試料JLs-1及びJDo-1中のアルミニウム,鉄,ナトリウム,カリウム及びバリウム定量における試料分解の問題点
- ピリジンの分配係数に及ぼす溶媒効果
- カプリコート抽出を併用した1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトールによるカドミウム(II)の吸光光度定量
- ジチゾン-2,2'-ジピリジルによる亜鉛(II)とカドミウム(II)の協同抽出分離
- 講義とFD
- スラブ光導波路を用いるガラス表面への吸着分子の可視吸収スペクトルの測定
- 21世紀の分析化学教育
- モノチオテノイルトリフルオロアセトンによる亜鉛(II)及びカドミウム(II)の抽出に及ぼす混合中性配位子の添加効果
- HSAB経験則を利用したジエチルジチオカルバミン酸抽出/等速電気泳動法による二価金属イオン分離法の設計
- アセトン-水混合溶媒からの金属ジチゾナト錯体の抽出(:分離(その1))(抽出・吸着分離)
- 水銀
- 亜鉛, カドミウム
- キレート抽出
- 炭酸カルシウムへの微量リンの共沈濃縮(超微量分析のための前処理と予備濃縮)
- 発光分光分析法による骨灰分中のストロンチウムおよびカルシウムの定量
- 協同効果を利用したTTAによるコバルト(II)の抽出光度定量
- アセチルアセトンによるニッケル(II)の溶媒抽出における塩析効果
- TTAによる銅の分光光度定量
- 等吸収波長を用いたジチゾンによる水銀(II)の定量
- 南西諸島第四紀石灰岩中のカドミウム含量
- GSJ岩石標準試料JLs-1(石灰岩)及びJDo-1(ドロマイト岩)の化学組成
- 古生代炭酸塩岩に見られる微量金属元素含量の特徴 : 栃木県葛生地区二畳紀炭酸塩岩の重金属元素含量
- 沖縄本島中部に分布する第四紀炭酸塩岩の生成・続成・風化過程における重金属元素の地球化学的挙動
- 北海道夕張炭田地方に分布する古第三紀堆積岩のホウ素含量 : 古堆積環境指示元素としてのホウ素
- 群馬県富岡地区堆積岩の臭素およびヨウ素含量
- 古堆積環境指定指示元素としての塩素および臭素,ヨウ素に関する知見
- 「大学の自立」と「学術経営」のあり方を探る
- 協同効果を利用したTTAによるニッケルの抽出光度定量
- ジチゾン-1,10-フェナントロリンによるニッケル(II)の抽出分離及び吸光光度定量
- チオテノイルトリフルオロアセトンによる亜鉛(II)とカドミウム(II)の協同抽出分離
- 協同効果を利用したジチゾンによるマンガン(II)の抽出光度定量
- TTA-ピリジン塩基による亜鉛(II)とカドミウム(II)の協同抽出分離
- 協同効果を利用したジベンゾイルメタンによる鉄(II)の抽出光度定量
- 1-ブタノール抽出を併用した4-(2-ピリジルアゾ)レゾルシノールによるバナジウム(V)の吸光光度定量
- 鉄(3)のTTA-ベンゼンによる抽出比色法におけるカプリコートの効果
- 協同効果を利用したTTAによるマンガン(2)の抽出光度定量
- 協同効果を利用したTTAによるコバルト(II)の光度定量法の感度の改善