地質標準試料中モリブデンの形態別分析における逐次溶解法の評価
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概要
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地質標準試料中Moの存在形態を明らかにするため, 逐次溶解法と黒鉛炉AASを組み合わせた分析法を確立し, その有効性を研究した.基礎的諸条件の検討結果から, Moを五つの形態に区分することにし, 0.1M硝酸カリウム溶液で溶出する部分を交換吸着態, 0.05M EDTA溶液でのそれをEDTA可溶態, 0.2Mシュウ酸アンモニウム-0.2Mシュウ酸-0.1Mアスコルビン酸-0.01M塩酸混合溶液でのそれを酸化物態, 6M硝酸-1M塩酸でのそれを硫化物態, 過塩素酸-フッ化水素酸でのそれを残留物態とした.本法によれば, 0.1gの試料で0.1ppm以上のMoが定量可能であり, 0.07〜11μgのMoの定量における相対標準偏差は28〜3%であった.確立した逐次溶解法は地質試料中Moの存在形態を把握する方法として有効であり, 各種地質標準試料(火成岩類, たい積岩類, たい積物, 鉱石, 鉱物等)中Moの形態別分析の結果によれば, 火成岩類では酸化物態と残留物態が多く, たい積物やたい積岩では酸化物態が多い傾向があった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1997-09-05
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