フローインジェクション分析法による銅電解工程液中の銅イオン及びニッケルイオンの同時定量
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概要
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フローインジェクション分析法による銅電解液中の銅及びニッケルイオン自動分析システムを構築した. 銅及びニッケルの検出は, いずれも永和イオンの特性吸収を利用し, 1台の分光光度計を用いて1回の試料注入で銅及びニッケルイオン2成分を定量するため, 分光光度計にダブルフローセルを装着して720nmの吸光度を測定した. まず, 銅とニッケルの吸光度の和を, 引き続きチオ尿素溶液により銅イオンをマスキングしてニッケルイオンのみの吸光度をそれぞれ測定し, 吸光度の差及び希釈率を考慮した吸光度演算処理を行うことにより, 逐次銅及びニッケルイオンを検出可能とした. 本システムの性能は, 検出感度;銅0.6gl^<-1>, ニッケル0.3gl^<-1>, 定量可能範囲;銅1.4〜60gl^<-1>, ニッケル5.0〜30gl^<-1>, 測定精度;銅0.6%, ニッケル0.8%(RSD, 銅30gl^<-1>, ニッケル15gl^<-1>レベル, n=5), 分析速度;30試料/時である. 本自動分析システムを使用して銅電解液の連続測定試験を行ったところ, 操業管理分析システムとして適用可能であることを確認した.
- 1999-05-05
著者
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林部 豊
三菱マテリアル 分析評価研究センター
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竹谷 実
三菱マテリアル(株)総合研究所分析材料評価センター
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加藤 正明
三菱マテリアル(株)総合研究所分析・材料評価センター
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櫻井 宏行
三菱マテリアル(株)総合研究所分析・材料評価センター
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林部 豊
三菱マテリアル
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竹谷 実
三菱マテリアル総研
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