ヒト皮膚表面から見いだされたパラベンの定量(<特集>生体関連機能と分析化学)

概要

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簡易的かつ迅速なサンプリング方法を用いて,皮膚表面に付着しているパラベン及び皮膚指から拍出されるメチルパラベンを採取し,定量法を検討し,この方法を健常人に適用した.70% エタノール水溶液 75μl をサンプルの捕集液として用いた 1.5 ml プラスチックバイアルを,手掌部人差し指皮膚表面上で接触させ,2 分間サンプリングした.次いで GC/MS によりパラベンを分離・定量した.皮膚に付着しているメチル,エチル,プロピル及びブチルパラベンを同時検出・定量した.21〜23 歳の健常人被験者 10 人の付着しているパラベンを測定したところ,パラベンの合計付着量は,少ない人で 6 pmol/cm^2 程度,多い人で 2000 pmol/cm^2 程度となり,どの被験者においてもパラベン類の中では,皮膚への付着量はメチルパラベンが一番多かった.また,拍出が確認できるメチルパラベンの量は平均 4.4 pmol/cm^2 h であった.
社団法人日本分析化学会の論文
2002-06-05