蛍光X線分析法による湖底堆積物中炭素の簡易定量法
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概要
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湖底堆積物中の炭素を人工累積膜分光素子を分光結晶に用いる蛍光X線分析法により簡便・迅速に定量する方法を確立した.微粉末(3〜5μm)試料1.0〜2.0mgを20mlの超純水中で10秒間超音波照射して均一に分散後,直ちにシリカ繊維〓紙(〓過径9.62cm^2)上に〓別捕集し,薄層試料(104〜208μg/cm^2)を調製した.湖底堆積物中の炭素は,超純水中で分散させても溶解損失は認められない.検量線用標準試料を,湖底堆積物標準物質(LKSD-1, LKSD-2, JLK-1)を用いて調製した結果,炭素絶対量で0〜0.22mg(0〜23μg/cm^2)で炭素Kα線強度との間に良好な直線関係が認められた.未知試料と検量線用標準試料の厚みを同程度とすることで,マトリックスの影響は相殺できた.極少量試料であるにもかかわらず,河口湖湖底堆積物中の炭素を2.2〜3.8%の誤差で定量できた.本法の検出限界は2μg(0.2μg/cm^2)で,試料採取量が1.0〜2.0mgのとき,湖底堆積物中濃度にして0.2〜0.1%に相当する.また,試料量が1.0及び2.0mgのとき,それぞれ22%,11%までの炭素濃度を定量できる.本法は極めて簡便・迅速であることから,数百〜数千の試料を扱う高精度古環境解析のための有効な方法になるものと考える.
- 2002-03-05
著者
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