同位体希釈質量分析法による極地雷氷中の鉛の定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
^<208>Pb濃縮鉛をスパイクとして用いる同位体希釈法を表面電離質量分析法により行った.本法の検出感度は10^<-23>gで,定量感度は10^<-10>gであった.新設したクリーン実験室の効果により,実験室環境と試薬源の鉛汚染量をそれぞれ1分析当たり,0.02ngと0.002ngに低下させることができた.その結果,同位体希釈表面電離質量分析法の本来の感度,精度に近い性能を得ることができた.これを極地雪氷試料に応用したところ,既報では供試量(20〜40)kgを必要としたものが,0.1kg程度のボーリソグコアでも主成分の共存下で感度も精度もよく鉛を定量することができた.その結果,従来氷床の上層にとどまっていた地球化学的研究を深層にまで及ぼすことが可能になった.鉛濃度は上層(深さ23m)で(0.49±0.02)ng/g,下層(深さ124m)で(0.022±0.0005)ng/gであった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1977-09-05
著者
-
中村 精次
室蘭工業大学工学部工業化学科
-
室住 正世
室蘭工業大学工学部工業化学科
-
湯浅 光秋
室蘭工業大学工業化学科
-
室住 正世
室蘭工業大学工学部工業分析化学講座
-
中村 精次
室蘭工業大学
-
室住 正世
室蘭工業大学
関連論文
- 同位体希釈誘導結合プラズマ質量分析法による超微量鉛の精密定量
- 鉛同位体比測定による日本出土青銅器の研究
- 環境分析における標準物質と分析値の精度に関する研究
- Zinc hexamethylenedithiocarbamate による溶媒抽出とFI-HGAAS を用いた河川水中のヒ素の超微量分別定量(第1報)
- 同位体希釈質量分析法による極地雷氷中の鉛の定量
- 同位体希釈表面電離質量分析法による純水中の銀,カドミウム,銅,ニッケル,鉛,タリウム,亜鉛の同時定量(無機材料分析のためのスペクトロメトリー)
- シス-[クロロテトラアンミンアクアコバルト (III)]硫酸塩の溶解度積の決定
- 環境物質中の銀の同位体希釈表面電離質量分析法
- 同位体希釈表面電離質量分析法による血液中の銀,銅,カドミウム,鉛,タリウムの同時定量
- 同位体希釈表面電離質量分析法による標準岩石試料中の鉛の精密定量
- サブボイリング蒸留による分析試薬の精製と精製物中の重金属の同位体希釈表面電離質量分析法
- 同位体希釈表面電離質量分析法による標準物質中のタリウム,銀,銅,カドミウム,鉛,ニッケル,亜鉛の同時定量
- クリ-ン・ラボラトリ-覚え書き
- 高純度の試薬と水のサブボイリング蒸留法による精製
- 空中塵の鉛の自然生態系に対する影響
- 海水中のタリウム,銅,カドミウムおよび鉛の同位体希釈表面電離質量分析法による同時定量
- 海水中バリウムの同位体希釈質量分析法
- タリウムの同位体希釈表面電離質量分析法
- 超微量鉛の同位体希釈質量分析法
- 同位体希釈質量分析法による河川水試料中の銅の定量
- 海水中の銅の同位体希釈質量分析法(I)
- 登別大湯沼火口湖の地球化学的研究
- 人為源空中塵の屋久杉ヘの影響
- 超高純度試薬および海水中のニッケルの同位体希釈質量分析法
- 岩見沢市のN値スペクトル地盤図と地質分布
- 北海道東部釧路湿原における大気重金属降下量
- みずほ氷床の水銀の立体分布
- サブボイリング蒸留による精製試薬と純水中のタリウム,銅,カドミウムおよび鉛の同位体希釈表面電離質量分析法 (超微量分析)
- 同位体希釈-表面電離質量分析法によるカドミウムの定量
- 海水中の銅,カドミウム,鉛の同位体希釈-表面電離質量分析法
- 原子吸光法による水銀の定量
- 伊豆箱根温泉の地球化学的研究-3-
- 伊豆箱根温泉の地球化学的研究-1・2-
- カリウムの同位体希釈質量分析 : 地球両極氷雪中のppb濃度の化学成分分析法(第3報)
- カルシウムの同位体希釈質量分析 : 地球両極氷雪中のppb濃度の化学成分分析法(第4報)
- みずほ高原・西エンダービーランド雪氷層の地球化学的研究
- 海水中の銅の同位体希釈質量分析法
- カリウム,カルシウムの逐次同位体希釈質量分析 : 地球両極氷雪中のppb濃度の化学成分分析法(第5報)
- 南北両極氷雪中のナトリウムの分析 中性子放射化分析と冷凍濃縮原子吸光分析の比較 : 地球両極氷雪中のppb濃度の化学成分分析法(第2報)
- 両極氷雪中のSi,Tiの含有量(1.海水および陸水中の微量成分とその存在状態,課題討論)
- 登別大湯沼爆裂火口の粗構造 : 日本火山学会1964年度春季大会
- 南北両極氷雪中の塩素の中性子放射化分析 : 地球両極氷雪中のppb濃度の化学成分分析法(第1報)