みずほ氷床の水銀の立体分布
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概要
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自然界の陸水,海水に含まれる水銀は,ppt(10^<-9>g/kg)レベルの微量存在であり,みずほ高原アイスコア中ではppt以下でさえあった.フレームレス原子吸光法による高感度定量法で10^<-9>gの分析を可能にし,144.70m深までの立体分布を知る事ができた.雪水試料中の水銀は,金粒子へのアマルガム化濃縮,加熱気化,releaseを一連のclosed systemで行い,最終的に原子吸光分析する方法を開発することにより,高感度精密分析を可能とし,定量操作中の汚染を除去できた.さて,試料保存中および定量操作中の汚染と揮散は,水銀分析における最大の難問である.揮散を防ぐための保存剤の添加は空気中の水銀を吸収し,高いブランク値,ばらつきの多い分析結果の原因となる.本実験では,クリーン実験室で水銀分析を行うことで,実験室環境汚染を除去でき,保存剤を使用しても定量操作の妨害とはならなかった.本法をみずほ雪氷試料,ボーリング深度4〜144.70m間の26試料のアイスコアに応用し,(0〜50)×10^<-9>g/kgの分析結果を得た.一般に浅層中に水銀濃度の高いことが判ったが,これは文化圏における近代文化の発達が,地球大気を水銀汚染せしめた結果と考えられる.
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