教育用構造化プログラミング・エディタ(PADET/CBL)の設計・開発
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概要
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プログラム設計は、構造設計とロジック設計からなるが、本校におけるプログラム設計教育はこの2つを柱として、2段階に分けて教育を行っている。プログラム構造の設計技法を理解させるために、以前はフローチャートを使って行っていた。しかし、フローチャートを使っての構造化プログラミング教育は以下の点で問題がある。(1)ループも選択による分岐も同じ矢線で表したり、階層構造を明確に表せないため、構造化設計を行うためには適したチャートではない。(2)実行したプログラムに論理的なミスが有った場合、フローチャートでデバッグするのではなく、プログラムを直接修正する。よって、フローチャートとプログラムの整合性は無くなる。(1)の問題を解決するために、PAD(Problem Analysis Diagram)を構造化チャートとして取り入れた。PADを選んだ理由として、パソコン上で動作するPADによる構造化プログラム開発支援ツール(PADET)が利用できるからである。PADETはパソコン上で作成したPAD図を目的の言語にトランスレートし、オブジェクトを生成するツールである。このツールを使用することにより、(2)の問題も解決することができるのである。PADETは、作成したチャートをソースコードに変換するため、プログラム言語に依存するものの、プログラムの構造には影響を及ぼさない。ところで、本校では、学生の就職する企業のプロダラム開発言語は、圧倒的にCOBOLが多く、COBOLに変換するPADETが必要だったが、それは製品化されておらず、C言語に変換するPADET/Cを使うことにした。しかし、PADET/Cでは以下の点で教育目標が達成できなかった。(1)PADET中の命令記述が、C言語に依存している。(2)C言語では、ファイルの取扱が容易でない。(3)配列の定義法、使用法が違う。(4)C言語は数値の取扱に十分注意する必要がある。(5)文字列の取扱が容易ではない。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-10-16
著者
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