金融アプリケーション開発におけるパターン適用

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パターンはある状況下で繰り返し起こる問題とそれに対する解法の組であり, 近年オブジェクト指向開発の再利用技術として注目されている。本稿では, 複数のパターンを戦略的に用いることにより, 効率的にアプリケーション開発を行った事例を報告する。アプリケーション開発は一般に各工程で前工程での成果物を詳細していく作業である。その作業を効率化するためにパターンを部品として用いる。一度検討した分析・設計事項をプロジェクト内のパターンとして抽出し, 同じプロジェクト内で同じような状況に出会った場合にはそのパターンを適用することで開発効率を上げる。我々はこれに加えて, パターンを工程に従って戦略的に順次適用していく方式を検討した。ここで適用されるパターンは大きく分けて以下の種類に分類される。分析パターン: ある問題領域でアプリケーションの共通な構造や振る舞いを規定するパターン。設計パターン: アプリケーションのある一部分の検討項目について, より詳細な構造や振る舞いを規定するパターン。実装パターン: 特定の開発言語で, アプリケーションの一部分の構造や振る舞いの表現方法を規定するパターン。前工程の結果に対してパターンを適用しその工程の成果物を得ることを繰り返してアプリケーションを詳細化していく。各レベルのパターンを用意して通用の順序をあらかじめ規定しておけば, アプリケーションの詳細化を非常に効率的に行うことができる。この場合, そのような体系化されたパターン群を抽出, 構成することが問題になる。一般的に適用できる洗練されたパターンを生成することは非常に難しい。しかし特定の文脈に絞ればパターンを生成しやすくなる。あるパターンを適用することを前提とすれば文脈が明らかになり, その結果に適用するパターンを生成しやすくなる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

金融アプリケーション開発におけるパターン適用

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