並列計算機を用いたタイムメモリトレードオフ法の実現

概要

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近年のコンピュータと通信の進歩は, 暗号の役割を大きく拡大することになった。あらゆる情報がコンピュータに記憶され, インターネットなどでその情報が伝達される状況が生じ, その際, 企業の秘密やプライバシーを守るために, 暗号の技術が必要とされるようになってきた。しかし, 近年の技術の進展は, 従来不可能と見られてきた共通鍵ブロック暗号の全数探索による解読可能性を確実に高めている。1997年6月には, RSAが行なっていた"DES (Data Encryption Standard) Challenge"にあった56 bitのDESの鍵が, インターネットを通じてリンクされた数千のコンピュータによって解かれたというニュースが流れた。これにより, 全数探索による解読危険性がまた明らかにされた。しかし, 同時に数千/数方台の計算機を用いて数カ月の時間を要するという解読の困難さをも示すこととなった。タイムメモリドレードオフ法は, 全数探索の1種であるテープルルックアップ法を改良したものである。我々は, 現在最も広く用いられていると考えられている56 bitのDESを対象として, 本方式を並列計算機に適用する方法について検討した。本方式の採用により, 並列計算機における効率的な鍵の検索が見込めることになった。以下, タイムメモリトレードオフ法, 本計算機構成, 処理内容について述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

並列計算機を用いたタイムメモリトレードオフ法の実現

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