編集ソフトウェアの特徴を利用した攻撃への耐性を有するSMFステガノグラフィ(セキュリティ基盤技術,<特集>情報システムを支えるコンピュータセキュリティ技術の再考)

概要

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ステガノグラフィは本当に伝えたい情報を見せかけの媒体に隠すことで,通信をしている事実そのものを秘匿する技術であり,画像や音声,テキストなど,様々な媒体を用いる方式が研究されている.その中で,井上・松本によって,演奏データファイルであるSMF (Standard MIDI File)を媒体としたステガノグラフィ方式が提案されており,この方式のステゴ解析への耐性に関して,インターネット上で配布されたSMFの特徴を考慮した解析による評価が行われてきた.本稿では,SMFに記述された同時ノートの並びがSMFの編集ソフトウェアの影響を受けることに着目して,編集ソフトウェアが同時ノートに残す特徴を考慮した埋込み方式を提案する.また,提案方式の拡張として,あるSMFに対して適用可能な提案方式であり,かつ適用した際,ステゴSMFの検出攻撃に対する耐性が同じになる方式の中から最も埋込み可能情報量の多い方式を採用する方式を提案する.埋込み方式の評価としてインターネット上のSMF約18,000曲に対して埋込み可能情報量を計測した結果,提案方式を用いて埋め込んだステゴSMFは以下のような特徴を持つことが分かる.まず,安全性の面では,編集ソフトウェアの特徴を考慮した埋込み検出攻撃に対する耐性を持つため,秘匿性が向上したと考えられる.しかしながら,効率性の面では,埋込み可能情報量と埋込み可能SMF数がともに減少することが見受けられる.
社団法人情報処理学会の論文
2007-09-15

編集ソフトウェアの特徴を利用した攻撃への耐性を有するSMFステガノグラフィ(セキュリティ基盤技術,<特集>情報システムを支えるコンピュータセキュリティ技術の再考)

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