頻出する自立語の動的な推定による入力補助
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概要
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仮名漢字変換システムにおいて, 入力の手間を減らし, 正しい入力を可能にするためのさまざまな工夫が重ねられてきた. 変換機能の単語分割の性能が良くなると, 目的の入力を得るまでのキーの打鍵数が減る. 選択を行う際に, 使用頻度などによって提示する順序を換えることも, 打鍵数を減らすための工夫である. 変換, 選択, 編集機能など最低限必要な機能の他に, 入力に要する打鍵数を減らし, 正確な入力を促進する機能を入力補助機能と呼ぶ. 一部の仮名漢字変換システムには, 自立語の補完, 誤入力の自動補正などの入力補助機能がある. 仮名漢字変換システムにおいて, 多くの変換候補が競合する場合の選択の作業は, 入力に要するキーの打鍵数を増やすだけでなく, ユーザが一つ一つの単語を認識する手間も必要である. 認識を怠ると, 複合語の同音異義語誤りを起こす原因になる. 選択時に競合する候補を減らせば, キーの打鍵数を減らせるだけでなく, ユーザに複合語の正しい入力を促すこともできる. 我々は, これまで仮名漢字変換システムにおける自立語の入力補助機能として, 平仮名表記の文節, あるいは平仮名表記の自立語の予測機能[1]の開発を行ってきた. 本論文では, 入力履歴内の名詞節を自動的に短縮登録する自動短縮登録機能と, その登録した名詞節を変換するための短縮変換機能を仮名漢字変換システムに組み込んだ入力補助方式を提案する. 短縮登録とは, 辞書に単語を実際の読みより短い読みで登録することである. 以前に仮名漢字変換システムを用いて入力された文字列のことを入力履歴と呼ぶ. また, 本稿において名詞節とは, 自立語, 複合語, あるいは付属語「の」「した」「する」でつながっている節のことを指す. 本入力補助方式では, キーの打鍵数を減らすために短縮登録を用いた. また, 短縮変換機能は選択の手間を減らすために, (1)競合が少ない短縮読みの作成規則を作る, (2)短縮登録する辞書は連文節変換の辞書と別にする, [figure] (3)辞書には入力履歴内の名詞節を登録する, などの方針で作成した. この入力補助方式は, 入力に要するキーの打鍵数を減らし, 複合語の同音異義語誤りを減らすことができる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-03-12
著者
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