回転群に対する自己回帰モデルの変換性について
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概要
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平面図形の認識において、関田、栗田、大津は複素自己回帰モデルを適用することにより、複素自己回帰係数を回転不変なものとして与え、輪郭線識別に対して従来法より高い認識率が得られることを示した。ここで特に注目すべきことは、自己回帰係数が回転に対して不変になっているということである。この性質のためにサンプルの提示の仕方に対しての制約を除くことができる。また、例えば、回転に対してベクトルのように変換する自己回帰係数を持つモデルを構成すれば、その自己回帰係数からどれだけ回転したかを評価することも可能となる。このように、回転に対して自己回帰係数がどういう変換性を持つか、あるいは、回転に対してどういう変換性を持つ自己回帰モデルを構成することができるのかを知ることは重要なことである。ここでは、回転変換のもとで、スカラー、ベクトル、およびテンソルとして変換する自己回帰係数を持った自己回帰モデルを、それぞれ具体的に構成する。まずはじめに、関田、栗田、大津の複素自己回帰モデルを、実数体上の線形空間(ここでは、ある2行2列の行列を基底とする実線形空間)上で、再構成する。これが、回転不変な実2次元自己回帰モデルを与える。次に、これの自然な拡張として実3次元および実4次元自己回帰モデルについて考察する。その結果、これらがそれぞれ自己回帰係数がベクトルおよびテンソルとして変換する自己回帰モデルを与えていることがわかる。また、ここでの構成法の柱となっているのは、SU(2)(行列式の値が1のユリタリー行列)の基底、すなわちハミルトンの4元数であるが、これに基づかずに直感的に高次元へ拡張した場合には、一般に次元によらず、自己回帰係数はテンソルとして変換する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-09-28
著者
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