永続的プログラミング言語のためのコピー方式ゴミ集めの実行時コストについての考察

概要

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において述べたように、Persistent Progrmming Language(PPL)の実装に際しては、仮想記憶の管理に十分に注意を払う必要がある。これは、プログラマの生産性を向上させるとともに、ページバッファとオブジェクトバッファの統一的な管理を行うことでメモリの効率的利用をはかるためである。この仮想記憶の管理とは、永続オブジェクトのディスクから仮想記憶への移動,および有効に使われていないメモリを自動的に回収することである。プログラムからアクセス不可能なメモリを回収する技術は、ゴミ集め(Garbage Collection)として知られ、これまで多くの方式が考案されている。PPLにおいては、ゴミ集めに加え、参照は残っているもののアクセスが行われないようなオブジェクトを仮想記憶内から追い出すことが重要である。我々は、現在実装中のコンパイラにおいて2つのポインタの実装方式を検討している。一つは、で紹介した仮想アドレスを基にした実装方式である。この方式はプログラムの実行速度に与える影響が少なく、C言語との親和性も良いのであるが、コピー方式のゴミ集めを行うことが難しい。のMostly Copying Collectionが適応可能ではあるが、この方式は、ヒープ領域を小さなブロックに分割し、明らかにポインタとわかる参照しかされてないブロックのみを移動させるという方式のため、どの程度のコピーの効果が得られるのか不明である。またヒープ上のオブジェクトのポインタの位置は厳密にわからる必要がある。そして2つめの方式は、ポインタをセレクタと呼ぶオブジェクと識別子とオブジェクト内のオフセットとして表現する方法である。この方式では、オブジェクトがおかれた位置は、メモリ内のオブジェクトテーブルに保持される。本稿では、その方式の解説と、実行性能の低下に繋がる原因、Toyプログラムでの性能評価結果について報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-02-24

永続的プログラミング言語のためのコピー方式ゴミ集めの実行時コストについての考察

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