単一アドレス空間におけるオブジェクトのきめの細かい保護機構の設計
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概要
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オペレーティングシステムを構造化して設計するには、きめの細かい柔軟な保護機構が不可欠である。本稿では、受動オブジェクトをベースとするオペレーティングシステムにおいて、オブジェクトの柔軟な保護を実現する機構を提案する。提案方式は、次のような特徴を持つ。・きめの細かい保護 : スレッドごとにキーを持ち、ACL(Access Control List)には、メソッド単位の設定が可能である。・柔軟なアクセス権の設定 : 複数のキーを組み合わせて、オブジェクトへのアクセスを許可する条件を柔軟に設定することができる。・サブジェクト側の制御 : サブジェクトの側で、アクセスできるオブジェクトを限定するためのSCL(Subject Control List)機構を導入した。柔軟性を目指した保護機構として、Conditional Capability Password Capabilityがあるが、これらはケイパビリティにアクセス権を付加するだけのものであり、提案方式のような柔軟性はない。Mungiは、Password Capabilityを拡張し、ケイパビリティに階層を持たせているが、アクセス条件の設定は制限される。CACLは、メソッド単位での保護設定を許し、言語処理系の支援により効率化を図っているが、提案方式のように、メソッド呼び出しを許す条件を柔軟に設定することはできない。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-09-04
著者
-
清水 謙多郎
電気通信大学情報工学科
-
芦原 評
電気通信大学情報工学科
-
清水 謙多郎
東大院・農生科・応生工
-
清水 謙多郎
電気通信大学
-
繁田 聡一
電気通信大学情報システム学研究科
-
谷森 徹
電気通信大学 情報工学科
-
繁田 聡一
電気通信大学 情報工学科
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