最小自乗法を用いた格子中心データから格子点データへの変換手法
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概要
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現在使われている可視化手法は,数値データが格子点で定義されていることを仮定していることが多い.一方,数値シミュレーションの中には,格子中心で数値データを計算するものがある.有限体積法では,変数は,格子の中心に定義されている.また,有限要素法では,最初に数値データが格子点で計算されるが,その微分量は,格子の中心で計算されることが多い.このような格子の中心で定義された数値データを以降,格子中心データと呼ぶことにする.格子中心点を格子点とするような格子を再構築するのは,非現実的である.特に非構造格子データの場合,もとの境界を保持するのが困難である.その代わりに,これまで,格子中心データから次のような2つの手法によって格子点データに変換されてきた.1つは,距離逆数法である.これは,まず,格子中心から格子点までの距離の逆数を重みとして,格子中心データS^<cell>を各格子点に加算していく.同時に,重みそのものも格子点毎に加算しておき,最後に,加算された重みで加算されたデータを除して,その格子点でのデータS^<point>_iとする方法である.S^<point>_i=<Σ_<C^<cell>_i S^<cell>×W^<cell>>/<Σ_<C^<cell>_i W^<cell>>,ここで, W^<cell>は,距離の逆数を,Σ_<C^<cell>_iは,i番目の格子点について総和をとることを示す.もう1つは,格子中心で評価された勾配ベクタ▽S^<cell>から格子点データを外挿する方法である.S^<point>_i=S^<cell>+(D^^→,▽S^<cell>),ここで,D^^→は,格子中心から格子点への方向を,(A^^→,B^^→)は,A^^→とB^^→の内積,そして▽Cは,スカラ関数Cの勾配を表す.格子中心から格子点データに外挿する場合,一般的に格子点を共有する格子毎に違った値が計算される.格子点毎にユニークな値が必要となる場合,これらの値は,平均化される.以上のアプローチで得られる格子点データによって張られるデータ空間は,もとの格子中心データによって張られるそれと異なると考えられる.今,紹介した手法では,この違いによる誤差についてなんら考慮がなされていない.しかしながら,我々は,この誤差の定量化を行ない,この定量化された誤差を各格子点毎に極小化するアプローチを提案する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-09-04
著者
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