並列マシンCenjuにおける非線形MHD型プラズマシミュレーション

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非線形MHD型プラズマシミュレータAEOLUSは日本原子力研究所で開発されたコードで、ベクトル計算機用にチューニングが進められ、ベクトル化によりスカラコードの6~7倍の速度向上が確認されていた。AEOLUSの計算量の大部分はベクトル化可能な陽解法からなるが、一方、ラプラシアンの逆演算を行なう陰解法の部分も存在する。この部分は、数値演算的にはブロック三重対角行列を係数行列に持つ行列方程式の求解になるためベクトル長がきわめて短くなり、これがベクトルマシンでの性能向上の隘路となっていた。今回、日本原子力研究所那珂研究所と共同でMIMD型並列マシン向けの並列化手法を提案し、処理性能の計算を行なった。本方式では、従来のベクトルデータを分割してプロセッサに割り付けて陽解法を並列化し、PE間でパイプライン的に処理を行なうことで、陰解法部分も並列化した。本方式では、(1)各プロセッサの負荷分散が静的に均等に定まる。(2)通信が隣接PE間の境界データの交換のみで済み、かつ、同時に全PEが通信することが可能で、通信コストが極めて小さい。(3)データを各PEに分散配置することができ大きなデータサイズに対応できる。などの長所がある。さらに、我々が開発した並列マシンCenju上実装し評価を行った。この結果、小規模な実用データを用いて64台で17倍の速度向上を、実験用の大規模なデータでは64台で42倍の速度向上を確認した。
一般社団法人情報処理学会の論文
1991-02-25

並列マシンCenjuにおける非線形MHD型プラズマシミュレーション

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