ユニフィケーションによる事例検索
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概要
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Roger C Shankとその弟子達により,従来のルールベース,モデルベース推論とは異なるパラダイムの認知モデルとして,記憶と想起のモデルを源流とした事例ベース推論(CASE-BASED RAS0NING,以下CBRとする)が提案された.事例を用いたAIアプローチは,ルールベースシステムにおける問題解決のボトルネックを解決する枠組として期待されている.CBRにおいては,新しい問題を解く際に,まず解こうとしている問題に一番類似している事例を検索し,その事例を今の問題に合うように修正して適用する.適用が成功すればよいが,失敗した場合は,なぜ失敗したかを解析しその失敗を回避するように事例を修復して再度適用する.このような処理により,専門家と同様な,過去の事例を積極的に利用した問題解決を行おうという枠組がCBRの本質である.しかし,現時点では,そのテクノロジーは具体的なものとして確立されているわけではなく,事例の検索/照合や事例の修復/修正をどのように行うかは,個々のシステムごとにいろいろな工夫を手探りで行っているのが現状である.特に,事例に対する特徴付けと過去の類似事例の検索をどのように行うかは,CBRを実現する上でまず解決しなければならない課題である例えば,HammondによるCHEFシステムでは,事例の検索のためのインデックスに,料理のレシピの中心的性質として「牛肉を含む」「妙めものである」等を用いていたが,中心的性質の定義は曖昧で,また特徴付けが不十分ため全く参考にならない事例が検索される場合がある.本報告では,事例に対し,グラフ構造による特徴付けを行い,フレーム・ネットワーク上の制約空間に対しユニフィケーションを用いた超並列制約伝播手法による事例検索を提案する本手法の特徴として超並列処理を前提としたデータ構造によりリニアオーダーで検索が終了,データ構造を有向グラフ,処理をユニフィケーションのみに限定することで,処理の複雑化が防止できる,さらに,入力としてグラフが用いられることで既存の自然言語処理との接続が容易,等が考えらる.よって上本手法では,より一般的かつ具体的な枠組みでCBRにおける事例検索器を実現することが可能となる.
- 1994-09-20
著者
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