ノートパソコンによる統合・埋め込み型プログラミング教育の試み

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コンピュータを利用する上でソフトウェアの重要性については論をまたないが、ソフトウェアの開発・利用技術、あるいはシステム化技術としてのプログラミングは情報教育の中で必ずしも高いプライオリティを与えられておらず、プログラミング教育不要諭も度々聞かれるのが現状である。こうした背景には、ワープロや表計算等のソフトの普及により情報リテラシーの内容が変わってきたことと、優れたパッケージ・ソフトの普及により日常的な業務のほとんどが既存の機能で対応可能となってきたこと等が考えられる。しかしながら、他の道具とコンピュータの大きな違いのひとつは、コンピュータの利用を通じて相互作用によりハードウェア、ソフトウェアの進化がユーザー、すなわちヒューマン・ウェアの進化をもたらし、さらにそれがハードソフトの進化につながっていく繰り返しが数カ月というごく短期間に起こることであろう。もうひとつの違いは、道具としてコンピュータを利用するには表層的な利用から潜在的な利用までさまざまなレベルがあるが、いずれにしてもユーザー自身が何に使えるか、あるいはどうしたらもっと便利になるかを考えければならないことである。エンドユーザー・プログラミングはコンピュータのユーザー全体に要求されるものではないが、既存のパッケージ・ソフトでは十分に情報化できない場合に、自前で補完あるいはカスタマイズするための手段であり、ヒューマンウェア、ソフトウェア、ひいてはハードウェアのポテンシャルを引き出し、相互に高めていく可能性をもっている。亜細亜大学経営学部では、プログラミング教育をアドバンストな情報リテラシー教育と位置づけ、学生全員にもたせたノートパソコンとQuickBASIC言語を利用し、ワープロ、表計算の基礎のコンピュータ入門教育を修了した学生にプログラミング教育を基礎選択科目として実施している。今回、新カリキュラムの導入に伴い、プログラミング教育を大幅に見直し、アンケートの設計から集計までのプロセスを題材に統合・埋め込み型プログラミング教育を実施した結果、いくつかの知見が得られたので報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20

ノートパソコンによる統合・埋め込み型プログラミング教育の試み

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