次世代アーキテクチャ向けオペレーティングシステム・マイクロカーネルの開発

概要

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我々は次世代マイクロプロセッサアーキテクチャ向けオペレーティングシステムCubix(CUBe of 2byte unIX)[1,2,3,4]の開発をおこなっている。Cubixは以下のような特徴をもつ。1.Cubixは単一仮想記憶空間を用いる。UNIXなどではプロセスごとに仮想記憶空間が独立してる多重仮想記憶空間であったが、Cubixではすべてのプログラムやデータが共通の単一仮想記憶空間中に存在する。アプリケーション間の通信はメモリポインタの受け渡しとサブルーチン呼び出しと等価になる。仮想空間は複数のメモリセクションにより構成される。各メモリセクション毎に「スレッドのID」と「現在スレッドが実行しているプログラムの存在するメモリセクションのID」をキーとしてreadable/writable/executableの各属性を指定することにより、メモリセクションに対するアクセス保護を設定する。ここでスレッドIDがキーとして加わっているため、共通の単一仮想記憶空間であってもスレッドごとに参照可能メモリセクションが異なり、スレッド間のアクセス保護が可能となる。2.Cubixは一元化仮想記憶を用いる。ディスク上のデータとメモリ中のデータの区別なくアクセスできるように、すべて仮想憶空間中に存在する。ディスクに格納されているファイルは、Cubixではメモリセクションに対するパッキングストアとなる。物理メモリは実体に対するキャッシュとして扱う。この点でCubixのメモリセクションはMachにおけるメモリオブジェクトと類似の概念である。3.マイクロカーネルアーキテクチャにより、さまざまな構成で柔軟に用いることができるようにする。全体構成概念図を示す。UnixサーバなどのOSサーバにより他のOSとの互換性を提供する。本報告ではマイクロカーネルのプロトタイプの作成について述べる。【figure】
一般社団法人情報処理学会の論文
1993-09-27

次世代アーキテクチャ向けオペレーティングシステム・マイクロカーネルの開発

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