オブジェクト指向データベースにおける類似検索の性能測定

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ここ数年,オブジェクト指向データベースの研究が本格化し,市場も拡大の兆しを見せている。オブジェクト指向データベースの基本的な考え方は,対象物を単位として"現実世界"をモデル化しようとするものであり,CADなどのアプリケーションのデータを管理するのに有効な考え方てあることか知られている。オブジェクト指向データベースが扱う基本単位は"オブジェクト"と呼ばれており,文字数値データ,図形データ, それに,これらのデータに付随する手続きによって表現されることが多い。また,オブジェクトは,通常,階層構造を成す。つまり,オブジェクトは,要素となるオブジェクトを引用したり,上位のオブジェクトから引用されたりする。この様に,オブジェクトは複雑な側面を有するものであり,この複雑さが、オブジェクト指向データベース特有の機能を必要としている。その一つが、類似検索機能である。オブジェクトが複雑な構造をしているために,属性値を検索条件とする従来の検索手法には限界がある。我々は,オブジェクトそのものを検索条件(以後,ルアーと呼ぶ)とする類似検索アルゴリズムを開発し,ADAM(Advanced Database system with Abstraction Mechanism)と称するオブジェクト指向リレーショナルデータベースに実装した。本文では,類似検索アルゴリズムの実現手法と性能測定結果について報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1989-10-16

オブジェクト指向データベースにおける類似検索の性能測定

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