視覚障害者のためのDOS/V画面アクセスシステム
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概要
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視覚障害者はこれまで点訳や音訳サービスを利用して必要な情報の入手を行ってきた.しかし,その数は決して充分とはいえず,情報源の不足は深刻な問題である.また,墨字(点字と比較し他の一般の文字をすべて墨字と呼ぶ)文書を独力で読み書きできないことも社会参加していく上で大きな障害の1つである.パーソナルコンピュータの普及と視覚障害者用周辺機器の開発が進んできた今日,視覚障害者のこのような問題は徐々に解決されようとしている.視覚障害者がDOS上で稼動する一般のアプリケーションを使用する場合,画面情報を確認するためのコンピュータアクセスシステムを使用する.これは画面情報をユーザーのリクエストに応じて点字/音声に出力するもので,視覚障害者とコンピュータ間のユーザーインターフェースを提供するシステムである.このシステムを使用すれば視覚障害者も電子ブックや電子辞書の検索が可能である.また,一般のBBSにアクセスし,独力で必要な情報の抽出もできる.この他,市販のワードプロセッサを使って墨字文書の作成なども可能である.コンピュータアクセスシステムは日本でもいくつか製品化されており,筆者も1993年に製品化された日本語スクリーンブレイラーの開発に携わった.日本におけるコンピュータアクセスシステムの開発にはいくつか共通の課題がある.1つは,漢字かな混じり文を正確なかな点字にすること,及び,よりなめらかな日本語で音声出力することである.DOSではメモリーの制限が厳しいため,このような処理をリアルタイムに行うことは難しい.次にかな漢字変換の際,候補として表示されている漢字の確認を正確に行うためのインターフェースの提供などか挙げられる.筆者はこのような課題を解決し,より快適な環境を視覚障害者に提供できるよう日本語スクリーンブレイラー機能強化バージョンの開発に携わった.本稿では,新しい日本語スクリーンブレイラーの特徴である点字/音声の同時・逐次出力のためのインターフェース,及び,かな漢字変換における点字国語辞書の利用法について述べる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-09-20
著者
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