非視覚的Webアクセスシステムにおけるユーザ・インターフェイス (<特集>ヒューマンインタフェースとインタラクション)

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視覚障害者の情報源は, 従来より点字や録音図書に限られており, その不足は社会参加していくうえで大きな問題となっている. そこで, Web上に存在する膨大な情報への非視覚的アクセスが実現されれば, 視覚障害者にこれまでとは異なる新しい情報源が提供できると考えた. これを実現するため, 視覚的に理解できるよう表現されているWeb情報に対し, 初心者を含めた幅広いユーザが音声出力だけで容易にアクセスできるシステムの研究開発を実施した. 視覚障害者モニタ10人の協力を得て設計した本システムのユーザ・インタフェースは, 以下の5つで特徴付けられる. 第1は非視覚的Webアクセスに必要なコマンドをすべて数値キーパッドから入力できること, 第2は音声斜め読みを実現した早送り再生機能, 第3は男女声音の違いを利用したハイパーリンクの提示, 第4はクリッカブル・オブジェクトの処理や二次元情報の読み上げを実現するためのHTMLタグの音声変換, 第5は視覚障害者と晴眼者との協業を容易にする汎用Webブラウザのウィンドウと同期した読み上げ機能である. 本稿では, 非視覚的Webアクセスの現状および問題点を報告した後, 非視覚的Webアクセスにおける本システムのユーザ・インタフェースを詳細に記述する. 続いて, 評価実験結果を報告し, 今後の課題をまとめる.
一般社団法人情報処理学会の論文
1999-02-15

非視覚的Webアクセスシステムにおけるユーザ・インターフェイス (<特集>ヒューマンインタフェースとインタラクション)

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