モニタリングに基づいたグローバルデッドロック検出へのアプローチ
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概要
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高性能で安価なワークステーションやミニコンピュータと高速のネットワークの発展が、分散データベースを数年の内に実用のものにするかもしれない。分散データベースでは、グローバルデッドロック(複数サイトにまたがるデッドロック)は回避できない問題である。複数のデータベースサイトにわたるアクセス処理(トランザクション)が検索処理に限られるならば、グローバルデッドロックは生じないように見えるかもしれない。しかし、サイトに閉じた更新処理を許せば、いずれグローバルデッドロックは現われる。システムの信頼性とデータの可用性のために、データは複数サイトで重複され、或いは分割して格納されるかもしれない。複数サイトにまたがる更新処理は必須となる。グローバルデッドロックは、分散データベースが直面しなければならない困難である。グローバルデッドロックが頻繁に生じるか否かは、議論の多い問題であるが、対応する機構を省くことはできない。頻繁に生じないとしても、生じれば与える影響は大きい。システムがデッドロックを処理する機構を備えていなければ、影響は破滅的となる。頻度が高いのならば、検出のための機構は必須だろう。ただし、検出のために生じる負荷は低くなければならない。グローバルデッドロックの生じる頻度が高かろうと低かろうと、システムの処理効率を低下させるのは望ましいことではない。我々は、homogeneousな分散データベース環境で、ロッキングとモニタリングを前提とした検出メカニズムに関する検討を行ってきた。同時実行制御方式として、ロッキング方式とタイムスタンプ方式がよく知られている。L.Lamportは分散環境での統一されたタイマを提案しているが、実現されたシステムの多くがロッキングを用いている。本稿では、モニタリングに基づいたグローバルデッドロック検出のために、各データベースサイト外部から可視である必要のあるブロッキング情報に関する基本的な検討を記述する。なお、本研究は、通商産業省工業技術院の大型プロジェクト「電子計算機相互運用データベースシステムの研究開発」の一環として研究開発を進めているものである。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-03-15
著者
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疋田 定幸
沖電気工業株式会社 情報通信システム事業本部 Ctiシステムグループ
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川上 英
沖電気工業(株)
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坂本 明史
沖電気工業(株)
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小寺 誠
沖電気工業株式会社
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坂本 明史
沖電気工業株式会社
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坂本 明史
沖電気工業
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疋田 定幸
沖電気工業
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