照明と撮影と軌道が図形と同様に扱えるレンダリングシステム
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概要
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図形をレンダリングするには、その対象となる図形はむろんいろいろな指定が必要である。レンダリングシステムが扱うべき対象は、少なくとも以下の四つの範囲にわたる。[ア]図形 レンダリングの対象となるべき図形。[イ]照明 光の当て方の情報。複数の光源を組み合せて使う場合、光源ごとに位置・向き・色などが指示できなければならない。[ウ]撮影 カメラの位置・向き・倍率などの情報。アニメーションや視差式立体映像への応用のために、複数台のカメラを組み合せたセッティングも扱えるようにしておく必要がある。[エ]軌道 図形・撮影・照明の移動/スイープをコントロールするには、変化する属性(位置・向き・大きさ・色など)のスナップショットを列にしたものが必要になる。ここではこの列を軌道と呼ぶ。[例]-図形やカメラを曲線に沿って平行移動するには、曲線のいくつかの要点の座標を列にしたものを使ってコントロールする。以上のように、レンダリング記述の対象は、実世界にたとえれば撮影スタジオに置いてあるあらゆるものに及ぶ。これらの対象の型は本来単一ではない。しかし、これらをそのまま型の異なったものとして扱うと以下のような問題が生じる。[ア]よく似た内容の対象を使い回せない。[例]-ある軌道に沿って別の図形を平行移動させ、しかもその軌道自体も図形として描きたい場合、移動をコントロールする軌道とは別に、または軌道から型変換で導出するなどして図形としての軌道を記述しなければならない。[イ]照明・撮影・軌道に対しては、その記述の内容を確認するために専用の機能が必要になる。[ウ]異なった型ごとに別々の操作を使い分けなければならない。複雑な対象は、より単純な対象に何か操作を施した結果として記述する必要がある。対象の型が複数あれば、内容は似ていてもそれぞれに対して別の操作を提供しなければならない。ユーザにとっても対象の型ごとに別の操作を使い分けるので負担になる。[例]-「色のついた」を図形ではpaint/colorFで、照明ではstain/colorLで区別するなど。これらの問題は、実現側には開発の負担の増加を、利用側にとってはシステムの効果の低下をもたらす。したがって、4種類の型を統合する唯一の型が見つけられることが望ましい。以下の章では、図形に他の3種類の対象を統合する方法を提案する。
- 1989-03-15
著者
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