コンピュータグラフィックスとプログラミング言語の機能
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概要
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プログラミング言語は、情報処理システムにとって受理可能な形式であるというだけではなく、プログラマに対しては思考のガイドラインとして機能する。したがって、CG(=コンピュータグラフィックス)システムの構築においても、使用するプログラミング言語の表現能力が作業効果に大きく影響するであろうことが予想される。しかし、既存のプログラミング言語の多くは、汎用性を強調して設計されており、CGに適しているとはいい難い。すなわち ○本来の作業のほかに、意図した処理を言語の枠組みに合わせて翻訳する作業が必要になる。しかも、この2者を分離することは極めて困難である。 ○プログラムの文面から処理の内容を汲み取ることが難しい。 ○発想が、使用している言語の枠組みに支配される傾向がある。などの弊害を生じやすい。 見方を変えれば、これらの問題は現時点での情報処理技術の制約として本質的であると言えなくもない。しかし、CGにおいてはこれらが必要以上に作業上の制約になっている。より効果的にCGシステムが構築できるようにするためには、必要な処理を、記法上の問題にとらわれずに自然な形式で表現でき、しかも実行可能な表記法が必要である。本稿では、CG用プログラミング言語に望まれる表現能力とは何かを考察する。なお、本研究では、モデルやその変換など主として描図以前の処理について検討する。すでに各方面で研究がなされているように、図形の読み/描きの記述もCG言語にとっては重要な要素であるが、これらについては全く別のアプローチからの検討が必要になろう。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01
著者
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