ルールベースの連想RETEネット表現

概要

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プロダクションシステムの高速化のためにルールベースを構造化する研究として,ルール条件部の類似性に関する知識を用いたRETEネット,排他性に関する知識も加味した排他RETEネットなどがある。これらはルール条件部の構造化である。また,ルール動作部と条件部の関係を利用した構造化にペトリネット方式がある。一方,練習により問題解決速度が向上するという認知モデルで使用されているルール合成も,プロダクションシステムの高速化に役立つ。本論文では,RETEネット方式とペトリネット方式の両者の長所を合わせもち,かつルール合成と同じような効果をもつ連想RETEネット方式を提案する。連想RETEネットは,ルール相互の支持関係に関する知識を用いてRETEネットを更に構造化したものであり,RETEネットをサブネットとして包含する。本方式はトークンをRETEネットのルートノートからではなく,途中のノートから流すため,ルール条件部の照合範囲が局所化される。以下では,連想RETEネットの概略を述べると共に,上述の既存手法との比較により本方式の有用性を示す。なお,本稿ではプロダクションシステムとしてOPS5を対象とする。
一般社団法人情報処理学会の論文
1988-09-12