Pseudomonas 属細菌の産生する耐熱性リパーゼについて
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概要
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耐熱性リパーゼを生産する微生物の検索を行ない, 23〜37℃の温度範囲で, たいへん好気的に通気撹拌培養することにより多量のリパーゼを生産する細菌を分離した.この菌はPseudomonas mephitica var. liplytica と同定された.リパーゼ生産を誘導する物質を検索したところオレイン酸やリノール酸, あるいはそれらの不飽和脂肪酸のエステル, またはオリーブ油, 落花生油, 牛脂などが大きな効果を示した.アセトン分画した粗酵素液の20分間の反応の最適条件は, 70℃, pH7.0であった.pH安定性は, 37℃に16時間おいたところpH3.4〜pH11.2の範囲であった.酵素活性の70℃, pH7.0でのみかけの半減期は培養液上澄の酵素液では9時間, それを硫安分画した酵素液では7時間, アセトン分画した酵素液では1.5時間であった.アセトン分画した酵素液においても, 52℃, 14時間の条件では, ほとんど失活しなかった.このリパーゼは各種の油脂やエステルを分解した.オリーブ油, ココヤシ油, 牛脂, 落花生油の60℃での分解率は, 85-92%であった.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1971-12-25
著者
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小杉 佳次
工業技術院生命工学技術研究所分子生物部
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小杉 佳次
工業技術院 生命工学工業技術研究所
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小杉 佳次
工業技術院微生物工業技術研究所
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小杉 佳次
生命工学工技研
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上林 明
工業技術院微生物工業技術研究所
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