炭化水素からのクエン酸生産においてクエン酸, イソクエン酸生成比に対するアンモニウムイオンの影響
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概要
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炭化水素資化性酵母 (Candida zeylanoides KY6161) を用いて炭化水素からクエン酸生産について5l-jar fermenterにより各種培養条件の検討を行なった. 本菌は金属塩(Fe^<++>Cu^<++>, Zn^<++>, Mn^<++>), りん酸濃度, 通気攪拌条件等が変化してもクエン酸, イソクエン酸生成比はほぼ1 : 1であるが培地中の NH_4^+ イオンにより生成は大きく変動した. 初発窒素源濃度の増加と共に菌体生育量は増加し, クエン酸生成収率は減少するがイソクエン酸生成量も急激に低下し、 クエン酸/全クエン酸は増加した. 一方pH中和剤 (Ca(OH)_2,NaOH, NH_4OH) に対して, 前二者の場合ではクエン酸/全クエン酸は0.5であるが NH_3中和下でのみ0.9を与えた. NH_3中和下でも初発窒素源濃度が高いと菌体生育量は過剰となりクエン酸収率が低下した. このNH_3 中和によるクエン酸/全クエン酸の影響は他のクエン酸生産菌, C. lipolytica KY6143,C. tropicalis KY6221 でも同様の結果を与えた. 一方NH_3,NaOH, 中和下での酵素活性はアコニターゼ, イソクエン酸脱水素酵素(NADP)のみに両者で差異が認められ, NH_3中和下での各々の活性はNaOH中和下での活性の1/3,1/4に低下した. さらに30l-jar fermenter を用いて一槽系の連続培養の検討を行なった. 連続培養下ではNH_3中和下でも希釈率(D)によりクエン酸, イソクエン酸生成比は大きく変動し, D=0.05-0.012(hr^<-1>)の操作条件範囲でクエン酸/全クエン酸は0.63から0.92と変化した. アコニターゼ, イソクエン酸脱水素酵素(NADP)活性は共にDの増大と共に増大した.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1974-08-25
著者
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服部 喜代次
京都大学工学部化学工学教室
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服部 喜代次
協和醗酵 東京研究所
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服部 喜代次
協和醗酵, 東京研究所
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横尾 修次
協和醗酵, 東京研究所
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今田 克
協和醗酵, 東京研究所
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今田 克
協和醗酵 東京研究所
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横尾 修次
協和醗酵 東京研究所
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