深部培養法に適するMonascusの色素生成株の分離
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概要
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紅麹(Monascus)を酒造および食品染色剤を使用したのは, 中国においては幾千年の歴史を経ている.培養法はその使用目的の如何を問わず, 今日にいたるまで, すべて米を主原料とした固体培養法であった.最近深部培養法の研究が進められているが, いまだに理想的な結果をえられなかった.著者は紅麹の深部培養法の完成を志し, その目的に適する菌株F-2を台湾産の高梁酒固体麹から分離し, 深部培養に使用して色素生成にかなりの成果をおさめた.菌株F-2の500ml三角フラスコにおける最適色素生成条件は, 培養時間3日間, pH 6.0,温度32℃で, 最適培地は, 米粉5%, NaNO_3 0.15%, MgSO_4・7H_2O 0.1%, KH_2PO_4 0.2%であった.最適炭素源は澱粉と麦芽糖で, 3.5%の含量がもっともよかった.窒素源は0.5%の硝酸塩と硫安が最良で, 有機態窒素, たとえばペプトン, 酵母エキス等は, 色素生成にかえって悪い結果を示した.500ml三角フラスコに各々異なった液量を仕込んで最適通気量を求めたところ, 75mlの液量仕込みが最適であった.これより増減量した場合は色素生成に悪い結果を示した.
- 1973-06-25
著者
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