特殊産業廃水の微生物処理に関する研究 : (第11報) シアン廃水処理におよぼす重金属類の影響およびシアノセンサーによるシアン廃水処理の管理

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シアンの微生物処理に与える重金属類(Cr(VI), Ni(II), Cu(II))の影響について検討した結果, 次のような結果が得られた.重金属類の添加前において, シアン(CN)150ppm中の窒素(N)81ppmはシアン負荷量0.4〜0.6Kg/m^3/d(=0.2-0.4Kg/Kg-MLSSld)のもとで, 処理水中に NH_3-N; 20〜25ppm, NO_2-N; 40〜45ppm, NO_3-N;5〜10ppmとしてその85〜95%が回収された.活性汚泥はシアン負荷量 0.4Kg/m^3/dで増減なく, 0.6Kg/m^3/d で漸増した. シアンはほとんど0.1ppm以下まで分解された.Cr(VI), Cu(II)の添加により, まずNH_3-N→NO_2-, NO_3-N の過程が阻害され, NH_3-N の蓄積がみられたが, 低濃度から馴養をおこない, 重金属類の濃度に応じて負荷量を軽減することにより, 微生物処理は可能であった.Cr(VI), Cu(II)のシアン処理に対する許容濃度はそれぞれ20〜30ppm5〜10ppmと考えられたが, Ni(II)については, 数 ppm の添加は, むしろシアンの酸化に対して促進的に働いた.活性汚泥中には重金属類の一部の蓄積がみられ, 活性汚泥中の有機物質は重金属類添加前の80〜85%から50%前後に減少した.その結果, 重くなった活性汚泥と廃水との接触を十分におこなわせるため, 過剰の通気が必要であった.Glucose, (NH_4)_2SO_4 などの添加の影響はみられず, シアン廃水と他の有機性廃水との混合処理は不能と考えられた.微生物処理に伴なう pH, ORP, CN(mV)およびNH_3-N と NO_2-, NO_3-Nのバランスの間には, 非常に高い相関性がみられ, 徳にシアノセンサーは応答が早く, シアンの生物処理の管理に有効なパラメーターであった.
公益社団法人日本生物工学会の論文
1968-12-25

特殊産業廃水の微生物処理に関する研究 : (第11報) シアン廃水処理におよぼす重金属類の影響およびシアノセンサーによるシアン廃水処理の管理

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