西ドイツ・ゾーリングにおけるヨーロッパブナの樹皮呼吸の日変化および季節変化
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概要
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西ドイツ・ゾーリングのブナ試験地(B_1)において, ヨーロッパブナの樹皮呼吸の日変化および季節変化を調べた。測定は8ビットマイクロコンピュータを用いた新しい測定装置によって, 1985年5月中旬から11月末まで, 延べ180日にわたって行った。八つの樹皮呼吸室を優勢木や劣勢木の幹や枝のいろいろな高さや太さのところに設置した。樹皮呼吸室の部分の樹体に挿入した熱電対により樹体温度を調べた。樹体温度の日変化は高さや径で異なった。根元付近の樹体温度は日中一定だった。樹冠上部の樹体温度の日変化は気温の日変化と似ていたが, 最大値を示す時間は気温よりも遅れた。樹皮呼吸の日変化は気温より樹体温度の変化とよく対応した。樹体温度が20℃をこえる夏の時期の18時頃に樹皮呼吸の急激な低下がみられた。樹皮呼吸は5月に急激に上昇し, 7月に最大となった。その後, 低温や活性の低下などにより, 冬の維持呼吸へとゆっくり減少していった。同じ樹体温度における樹皮呼吸速度を季節をとおして調べると6月や7月に高く, 9月や10月では明らかに低くなった。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1988-02-01
著者
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