マツノマダラカミキリから検出された線虫捕食性ダニの生活史
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概要
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マツノマダラカミキリから検出された中気門類ダニ, Dendrolaelaps fukikoae, D.unispinatusおよびHypoaspis sp.を室内条件下で線虫Panagrellusを餌として飼育できた。3種の発育ステージは, 卵, 幼虫, 第1若虫, 第2若虫および成虫であった。前2種は両性生殖をおこない, D.fukikoaeの一世代は15,20,25,30℃下でそれぞれ29.5,21.5,21.3,13.1日であった。1雌虫当たりの平均産卵数は各温度下でそれぞれ6.3,23.0,15.6,14.5であった。性比は♀2 : ♂1。D.unispinatusの一世代は各温度下でそれぞれ32.5,20.0,12.0,10.8日であり, 1雌虫当たりの平均産卵数は20℃(10.9)および25℃(12.1)の恒温下より22〜25℃(30.6)の室温下で多かった。1雄成虫は少たくとも4雌成虫を受精させた。性比は3 : 1。Hypoaspis sp.は両性生殖のほか雄産生殖をおこない, 1世代に要する日数は20,25,30℃でそれぞれ18.9,9.0,8.5であった。前産卵期間は未交尾および交尾雌虫ともに2日で, 両者の産卵数には有意差がなかった。摂食, 交尾, 産卵および共喰い行動について観察した。
- 日本森林学会の論文
- 1980-08-25
著者
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