マツノザイセンチュウの接種をうけたアカマツ苗の蒸散量の変化
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概要
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アカマツ2年生, および3年生苗木を対象に, マツノザイセンチュウ接種による発病の経過を, 蒸散量の変化で追跡した。300ml三角フラスコを使用して水耕栽培を行ない, 線虫接種後経時的に蒸散量を測定した。フラスコごとの苗木の重量をはかり, 24時間後の重さとの差で失われた水分量, すなわち蒸散量をもとめた。接種後15日目に蒸散異常をしめした例もあったが, 多くは20〜35日目で蒸散量の減少がはじまった。蒸散に異常があらわれてからのち, 蒸散量は日をおって減少し, 5〜10日で蒸散の停止にいたった。蒸散のとまった苗木でも外観的にはまだなんらの病徴も認められなかった。その後15〜30日ほど経過して針葉の萎凋, 変色があらわれ, そのまま枯死にいたった。蒸散量の減少がはじまるのに先立って, 必ず樹脂滲出機能の低下が起こっていて, 蒸散異常をしめした苗木ではすでに樹脂の滲出がなかった。蒸散の異常, 停止があらわれる時期には, 個体数を増した線虫が樹体内に広く分布していた。
- 1977-02-25
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