枯殺剤の林業的応用に関する研究 : (第3報)広葉樹の枯殺試験について

概要

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雑木の枯殺試験を(a)約15年生の雑木にたいする基部樹幹処理と, (b)切株の1年生萠芽にたいする茎葉処理との2方法で行なった。薬剤はWeedon Brush Killer64(2,4-D 28.4%, 2,4,5-T 14.2%)を用い, 1962年7月に処理を行ない, 1カ月後, 2カ月後, 3カ月後および1年後にその効果を調査した結果は次のとおりであった。a)基部樹幹処理の場合には, 1)一般に胸高直径の小さいものほど枯殺効果が大きく, 2)樹皮のうすい樹種は樹皮の厚い樹種にくらべて効果が大きく, 3)上層木は下層木よりも枯殺されやすかった。また, 新芽の再生は株の大小に関係があるようで, 概して中位の株に再生が多かった。b)切株の萠芽にたいする茎葉処理の場合にも樹種・株の大小等によって枯殺効果に差がみとめられ, コナラ・クヌギは他の供試樹種にくらべて概して枯殺されにくく, また, 新芽の再生は中位の株に多かった。この試験の結果, いずれの処理でもかなりの枯殺効果がみとめられたので, これらの方法は雑木林の林種転換にあたって造林前の伐採や巻枯しに, あるいは切株処理に利用できるのではないかと考えられる。
日本森林学会の論文
1964-12-25