ハラアカマイマイのVirus病(第2報) : 病理および病原Virus
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ハラアカマイマイ幼虫は多角体病Virusに感染するとまもなく摂食量が少なくなり, 軟化し, Wipfelkrankheitの病徴を呈して死ぬ。Virusの接種から斃死までの日数は8,9日である。野外においては, 3令以後の幼虫が本病によつて斃死しているが, 最初に発病斃死するのは, 4令虫であるとおもわれる。多角体は感染組織の細胞核内に形成され, 直径の平均2.4 μで, 大多数のものは5,6角形をしているが, なかには3〜7角形のものもある。0.1% NaCO_3で溶解する。この溶解過程を電子顕微鏡と光学顕微鏡で検鏡し, 多角体の構造とVirusの関係をしらべた。Virusは300〜410×23〜35 mμ平均370×30 mμの棒状体で3〜5コずつの束になつて, 多角体中に包埋されている。Virusも, Virus束も, 多角体もそれぞれ外被膜をもつている。本Virusはマイマイガ, クスサン, カイコ, オビカレハ, アメリカシロヒトリには感染力をもたない。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1959-01-25
著者
関連論文
- 414 マツノマダラカミキリ死亡幼虫より分離された細菌の細菌学的性状について
- ドウガネブイブイの昆虫ポックスウイルス病
- 505 ドウガネブイブイのEntomopoxvirus病(一般講演)
- 429 コスジオビハマキのEntomopox virus病
- 講演要旨(第12回森林動物シンポジウム : 森林害虫の個体群変動における天敵微生物の役割)
- 233 こん虫病原微生物とその利用
- 森林害虫の微生物防除
- 315 ウイルスによる森林害虫の生物的防除について(虫媒ウイルス学・昆虫病理学・不妊剤, 昭和41年度日本農学会大会分科会)
- 505 マイマイガの人工飼料飼育について(S)(第78回日本林学会大会)
- コガネムシ類幼虫から分離されたBeauveria amorpha SAMSON et EVANS
- F2 Beauveria属昆虫病原菌のグルーピング(昆虫病理・ウイルス)
- F-11 こがねむしEntomopoxvirusの伝染性および新しく検索されたリケッチャ様体について(昆虫病理学・微生物的防除)
- 413 マツノマダラカミキリの病原微生物
- 細胞質多角体病ウイルスおよびBacillus thuringiensisの混合液の空中散布によるマツカレハの防除
- Bacillus thuringiensisおよび細胞質多角体病ウイルスの単用および混用散布がマツカレハ個体群の生存率におよぼす影響
- 410 マツカレハ若齢期におけるウイルス等微生物散布・導入が全死亡率に及ぼす影響(一般講演)
- マツカレハに対する各種C型ウイルスの病原性
- 335. 食餌植物をちがえて飼育した雑食性昆虫のウイルス病罹病性
- 507 マツカレハに対する各種C型ウイルスの病原性(S)(第78回日本林学会大会)
- 531 ウイルスを増殖するための野外昆虫の人工詞料飼育に関する研究(S)(第77回日本林学会大会講演要旨)
- 530 スミシアウイルスによるマツカレハ防除試験(V) : ウィルスの量産試験(S)(第77回日本林学会大会講演要旨)
- 529 スミシアウイルスによるマツカレハ防除試験(IV) : ウィルス使用形態および散布方法の比較試験(S)(第77回日本林学会大会講演要旨)
- ハラアカマイマイのVirus病(第2報) : 病理および病原Virus
- ハラアカマイマイのVirus病(第1報) : ハラアカマイマイの大発生地におけるVirus病の流行状況
- 33 森林害虫の Virus 病に関する研究I : ハラアカマイマイの Virus 病(昭和33年度日本農学会大会分科会)
- 311 マツノマダラカミキリの幼虫の令期と令構成の動き(昭和39年度日本農学会大会分科会)
- 324. 動力撒粉機による森林害虫の驅除試験(第II報)
- 620.マツカレハおよび家蚕の細胞質型多角体病ウイルスの交叉接種試験(第72回日本林学会大会)
- 603.造林地におけるコガネムシの生態と防除について(第1報)(第65回日本林学会大会)
- マツカレハの細胞質型多角体病とその応用(予報)
- 411.マツカレハの越冬期における死因について(第2報)
- 321. マツカレハの越冬期における死因について(保護)(第68回日本林学会大会)
- 414. 2〜3のカレハ蛾科森林害虫に対する微粒子病原体の病原性について(第67回日本林学大会プログラム)
- 413. 浅川実験林ならびにその附近に発生したハラアカマイマイについて(第67回日本林学大会プログラム)