ハラアカマイマイのVirus病(第1報) : ハラアカマイマイの大発生地におけるVirus病の流行状況
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概要
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日本ではモミの老令林の葉を食い荒らすハラアカマイマイは6〜7年おきに発生する。その被害は2〜3年間つづき, 被害が最高潮に達したときにVirus病は流行する。このVirus病は最初に虫害の発生中心地に現われ, 漸次その周囲にひろがる。1957年には2種の異なつたVirus病が観察された。1つはPolyhedrosisであり, 他の1つはGranulosis類似の病気であつた。幼虫の死亡は主として前者によつて起り後者によるものはまれであつた。ハラアカマイマイのPolyhedrosisの症状はノンネマイマイの梢頭病のそれと非常によく似ている。他方Granulosis類似の病気になつた幼虫の死体は樹幹上でのみ発見された。1931年以来Virus病の発生を数カ所で観察し, 次のような結果が得られた。すなわち, 1)幼虫の密度が高いときには, Virus病による死亡は幼虫が特に多い場所で多く現われる。2)幼虫の密度が高ければ高くなるほど性比は小さい。すなわち密度の低い場所または年よりも, 密度の高い場所または年の方が性比が小さくなる。これはおそらく雌は雄よりも幼虫の期間が長く, したがつて雌の方が病気に感染する機会を多くもつことになるからと思われる。3)密度が高くなればなるほど, 雌の孕卵数は少なくなつてくる。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1959-01-25
著者
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