茨城県鹿島地方におけるマツカレハの個体群動態
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概要
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茨城県の鹿島地方(マツカレハの2回発生地帯)において, マツカレハの個体数変動を調査した。世代内における個体数の減少のしかたをみると, 死亡は, 卵期には密度依存的に, 幼虫期後期には密度逆依存的に, そして蛹期には密度非依存的に起こっていることが分かったが, 幼虫期前期の死亡率は非常に変動幅が大きく, 密度とどのような関係にあるか判定できなかった。このため, 卵から成虫に至るまでの全死亡率と初期の卵数との密度関係もはっきりしなかった。なお, 幼虫期後期から成虫に至るまでの期間における死亡の起こり方は密度逆依存的であり, 中齢幼虫数(N_<MIL>)と成虫数(N_A)との間には, log N_A=1.28log N_<MIL>-0.91の関係がみられた。個体数の変動を支配する主要因は, 幼虫期前期における死亡の大きさと推定された。また, 特に世代間の変動に関与する重要な要因として, 成虫の性比の変化, 成虫の産卵前における消失, 第2世代卵にみられる高率の死亡などが考えられたが, それらの詳しい内容や作用のしかたを具体的に明らかにすることはできなかった。
- 1975-02-25
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